三種いけでは、全体的な調和や組み合わせによる美しさを大事にします。一種または二種では表現しきれない世界がそこにはあります。
三種いけは自由度が高くなる分、生ける者の感性が強く現れます。難しさと共に、華道の面白みを感じ始めるのもこのあたりからでしょう。
三種いけの歴史
華道の初期では一種または二種いけが主流でした。時代の流れと共に様々な花材を用いるようになったことや、床の間がない家庭が増えたことなどから、三種いけが用いられるようになりました。
また、表現方法が多様化してきたことが、華道の世界にも影響しています。三種いけは時代のニーズに合わせて生まれたものと言えるでしょう。
三種いけの基本
三種いけでは、主材として枝もの、配材として花ものを二種用いるか葉ものを用います。古風なものよりも、モダンなものを意識すると良いでしょう。
三種いけの例
それでは、実際にどのような花材を用いて三種いけが行われているのか、いくつかご紹介しますね。
トルコ桔梗・縞ふとい・夏はぜ
色・形・性質などが全く異なる花材を選択しています。
バランスの難しい三種ですが、うまくまとまると何とも言えない調和が生まれます。全体の色味は和風の印象を受けますね。
ドウダンツツジ・縞ふとい・スプレーバラ
爽やかさを感じる取り合わせですね。
ツツジは花材としてよく用いられるのですが、枝が固く曲げることが難しい素材です。
天然の枝の曲がりや、枝ぶりを活かして生けなければならないため、それぞれの個性をよく見て選択する必要があります。
ヒマワリ・オクラレルカ・リンドウ
色鮮やかな取り合わせ。洋間によく合います。
一般的な昔ながらのヒマワリの他、品種改良により様々な種類のヒマワリが生まれているので、花材として非常に面白い素材です。
主張は強いため、取り合わせをよく考えないと、バラバラな印象になってしまいます。
三種いけの魅力
三種いけは、あまり堅苦しく考えず、自由に表現しても良しとする考え方もあります。
『三』というのは調和を表す数でもあるので、全体としてのまとまり、調和があると良いのです。
季節の花をさり気なく生活に取り入れられるようになったら、素敵ですよね!
そのような方には憧れを抱きます。花を生けると言うことは、心に余裕を持つことにもつながります。
最近は通信講座で華道を学べるようになっているので、華道のハードルは以前よりグッと低くなったのではないでしょうか?
基礎をしっかりと学ぶことで、三種いけの楽しさを存分に味わえるようになりますよ!