色相環とは代表的な色の色味を円にして並べ、相関関係を表して配色の際に指針となるものです。また色相環にはマンセル色相環、PCCS色相環、オストワルト色相環の3種類のものが代表的です。
花は色を持ち、華道における表現の際、それはとても重要な要素になります。この色相環が華道ではどのように関わるのか、見ていきましょう。
色相環とは
色相環とは色を環状に配置して、色を選ぶ際の指針となるものです。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、代表的な色相(色)を円にして並べたものを言います。
マンセル色相環
アメリカの画家であるマンセルが考案したものを、アメリカ光学会が修正を加えた色相環です。
「赤、黄、緑、青、紫」の基本5色相を統計周りに等間隔に配置します。
その間に「黄赤、黄緑、青緑、青紫、赤紫」を入れた合計10色相で成り立っています。
使い、向かいになる色と混合すると無彩色(灰色)になる「物理捕色」という配置方法になっており、合計100色相あります。
国際的に通用する色相環で、世界で広く活用されています。
PCCS色相環
日本色研配色体型(Practical Color Co-ordinate System)のによる色相環です。
心理四原色と言われている「赤、黄、緑、青」をメインとした合計24色になります。
心理四原色の向かいには互いに残像として見られる心理捕色が配置されます。
残像としてみられるというのは、ある程度の時間、ある色を見続けた後に白い紙や壁を見ると見える色のことです。
オストワルト色相環
1920年頃にノーベル化学賞を受賞したドイツの学者、オスワルトによって発表された色相環として有名です。
へリングの反対色説に基づいた表色系であり、混色系の代表的な色相環です。
色相環上で向かい合った色を混ぜると、無彩色になる物理捕色で、赤と緑、黄と青の2ついの反対色を円周上に配置されます。
さらにその4色の間に橙、紫、青緑、黄緑の4色を配置して8色となり、それぞれの色を三分割にした24色相で成り立つようになっています。
この色相環はスペクトルの色が反時計回りの方向に並べられているため、PCCSやマンセルの色相環とは逆回りに配置されているのが特徴です。
同系色相配色とは
同系色を使った配色で、まとまりが出やすい配色になります。
ただ、単調になりがちなので、次のように差をつけて抑揚をつけることがよくあります。
- 明度か彩度だけが違う色の組み合わせ
- 色相上で隣り合っている同系色
- トーンが違う同系色
補色色相配色とは
色相環の角度からみて、ほぼ正反対の色を組み合わせた配色です。
色味の差が最も大きくなる配色で、カジュアルな印象が与えるようなデザインなどで活用される方法です。
対照色相配色とは
色相環の角度から見て120から150度の色相の差がある色を対照色と呼び、その色を組み合わせた配色のことになります。
補色と比べると色の距離が近いため、より多彩な配色方法が可能になります。
類似色相配色とは
色相環における角度で30から60度の色相の差に収まる色を類似色と呼び、その比較的近接した色を組み合わせる配色を言います。
色相環上では比較的近い色を配色するため、扱いやすい配色とも言われています。