華道と聞くと「家元」や「〇〇流」という言葉を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?華道は、流派によって花の生け方は違います。
華道には「池坊」「草月流」「小原流」と呼ばれる3つの代表的な流派があります。それぞれの特徴についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
最も歴史の古い「池坊」
池坊は、最も歴史の古い流派で、生け花の本家とも言われています。自然のあるがままの姿を生かすことを理念としています。
そのため、綺麗な花だけを使うのではなく、枯れかけていたり、虫に食われていたりしても、問題ないと考えて生けるという特徴があります。
池坊では3つの技法を使って花を生けていきます。
「立花」「生花」「自由花」と呼ばれる技法で、それぞれの特徴は次の通りです。
- 立花・・・最も古く、室町時代にできたものです。池坊の理念を最も表現できる技法です。
- 生花・・・江戸時代にできたものです。草花が生まれる瞬間の美を表現する、シンプルな技法です。
- 自由花・・・明治時代以降、人気になった生け方です。ルールはなく、自由な技法です。
歴史のある技法と、新しい技法を組み合わせた流派が、池坊ということになります。
個性を表現できる「草月流」
草月流は、なんとなく聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?知名度は高いのですが、実は1927年にできたばかりの歴史の浅い流派です。
それまでの型にはまった生け方に疑問をもった、勅使河原蒼風によって作られました。そのため、とにかく自由な生け方が草月流の特徴です。
花だけではなく、石や金属を取り入れたりするなど、斬新な作品が多くみられます。モダンなスタイルで、ホテルや舞台の装飾に使われることが多いとされます。自由に生け花を楽しみたいという方にオススメです。
近代的なスタイル「小原流」
西洋文化が流れてきた、明治時代に生まれたのが小原流。そこで、西洋の花に合わせた生け方を考え「盛花」という技法を生み出したと言われています。
盛花とは、低い器に広げるように花を生ける技法のことを言います。広くないスペースでも生けられるので、家庭で楽しむ際に障害の少ない流派です。
日常生活に花を取り入れたいという方は、小原流にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?