暗いところと明るいところでは、同じ色でも、その見え方とイメージが変化することをご存知ですか?

光の当たり方で変わる花の色をマスターしよう

花の色には限りがありますが、明暗を上手く使い分けることで、違った印象を与えられるようになります。光の当たり方による色の見栄えについて考えてみましょう。

同じ色でも明暗がある

同じ色でも明暗を分けると、イメージがガラッと変わります。

例えば青色、暗くしていくと黒になり、負のイメージが強くなりますが、明るくすると水色に近くなり、プラスのイメージが生まれます。

明暗を上手く使い分けるようにすると、「同じ色なのに違うイメージ」が与えられるのです。

色を使うことを考えると、色の種類の違いだけに目が行ってしまうのですが、さらに明暗があることを忘れてはいけません。

12色相環で12種類の色がありますが、明度を大きく変えると、倍の数で色が増えていくことになります。

明暗を使って色の印象を変化させる

色の印象はどうでしょうか。赤は熱い活力を感じ、青は涼しくて冷たいイメージですよね。

それを基本にして明暗を使い分けると、色が与える印象も変化していきます。赤と青、同じ場面で使うとインパクトが大きくなりますが、どちらも暗い色味で使うとマッチします。

濃くすると冴えた印象、暗くしていくとシックな印象が生まれますよね。

もともと一般的に色の印象があるので、同じ赤にしても光が当たると冴えた濃い色になり熱いとなりますが、暗くしていくと抑えた印象になります。

ひとつの色を明暗も加えて表現することによって、色の印象を複数持たせられるのです。

奥行きのある位置に明るい色でアクセントを

ハッキリとした色は冴えた印象ということが分かりますが、前面に出すぎているとそればかりに目を奪われてしまいます。

明度が高い色を使うのを避けたほうが良いというわけではありませんが、使うのであれば全体の構図を邪魔しない位置で使うことをおススメします。

光というのは手前ほど強く当たって見えるので、明度の高い色はアクセント程度で考えて奥行きのある場所に配置すると無難です。

奥行きがあるほど光の反射が少なくなるので、もともとハッキリしている色は、光の反射を抑える意味で奥に配置するというわけです。

華道では複数の花を配置して作品とすることが多いので、原色である赤や青は光を当てすぎるとそれだけが目立ってしまいます。

原色を使うのであれば、全体を引き立てるアクセントという前提に考えることによって、より受け入れられるような仕上がりになります。