青色は一見してスマートで繊細なイメージを持っていますが、マイナスイメージな一面もあります。
そんな青色ですが、それを生かす知識を持つと、華道の表現がもっと充足されます。青色の花を生かすための色彩知識について考えてみましょう。
青色が持つイメージは少し事務的
青色が持つイメージはスマートというものですが、言い換えると人間味がなく、事務的なものと表現できてしまいます。
青色に温かみを感じることって難しいですよね。明るい青色にすると水色、暗くすると黒に近くなっていくので、生き物の色として考えるには遠いイメージということです。
しかし実際は、青色を持つ花もあるので、華道では青い花を使うこともあります。
そのため、一つのイメージを色々な見方をして、複数の表現方法があることを理解しましょう。
青色を生かすには茶が無難
青色を生かす色として考えるのなら、無難な色は茶色と言えます。寒色系でもある青色、だからといって温かみがあって熱い赤色をぶつけてしまうと、差がありすぎて反発してしまいます。
であれば黄色は?となってしまいそうですが、黄色は実は明るすぎる色でもあるので、使いどころが難しいのです。
暗めの黄色という選択肢も思いつきますが、黄色自体が明るいものというイメージなので、暗くしてまで青色と一緒に使うのも、少し無理があります。
青色の明るさを上手く生かすのなら、自然にもある茶色が上手くマッチしやすいということですね。
よほどカタチで勝負でもしない限り、華道においては青色と赤色を隣同士で使うと、少し毒々しい感じもして、ベストとは言えませんね。
同系色の黒は青色を目立たせなくする
インパクトがありすぎるのを回避するとはいえ、同色系の色を使いすぎるとますます寒いイメージになったり、青色の良さを目立たなくさせてしまったりしてしまいます。
黒や紫が同色系の色になりますが、真っ黒の中に青色があっても目立ちませんよね。暗めの青色を選択してしまうと、その色がある意味すら失ってしまいます。
同色系の色味で抑えようとすると、「本来の良さ」が消えてしまう可能性もあるので、特に青色になどの寒色系で同色抑えをするのは難しいです。
器の色でワンポイントにするなど、「アクセント程度」に考えると全体の構図に影響させずにイイトコ取りになります。
自然を連想させる色ではないからこそ、色彩知識を生かして青色を取り入れるようにすると華道作品はグッと鮮やかなものになります。