紫は昔から高貴な色とされ、地位の高い人が見に付ける色の1つです。さらに紫は上品で優雅な印象を与えますが、華道においても人気の色になります。
そんな紫色の花にはいったいどんなものがあるのでしょうか。華道における紫色の扱いと、代表的なお花についてみていきましょう。
古くから高貴な色とされていた紫
紫は古くから高貴な色とされ、地位の高さを象徴する色でした。
そんな紫色ですが、華道においてはいったいどのような種類の花があるのでしょうか。
ヒヤシンス
ヒヤシンスは1つ1つの花は小さいのですが、穂上にいくつも花をつけるため、1輪でも豪華な花です。
花の見どころは3月~4月で、香りが強いという特徴があります。
花の色は、紫はもちろん、赤や青、黄色など種類も豊富で、花びらが反り返っており、穂上に小花をいくつもつけます。
1輪で生けても華があるのですが、重さがあるので取扱いには注意しましょう。
アネモネ
アネモネは花びらがない珍しい花です。一見花びらのように見える部分はそうでは無く、実はガクという事がアネモネの特徴です。
アネモネは昭和の頃から「牡丹一華」「花一華」「紅花翁草」などのような和名でも親しまれる花です。
アネモネは光と温度に対して鋭く反応し、朝開き、夜閉じる、という事を繰り返す花です。
以前は赤、紫、白と、限られた色しかありませんでしたが、最近ではカラーバリエーションが豊富で、さらに大きさの種類はもちろん、一重咲き、八重咲きと多種多様になっています。
小ぶりの花ですが、存在感があり、深い色なので華道ではよく使われる花になります。
ラナンキュラス
ラナンキュラスは4月から6月ごろに咲く花で、紫色の他にも赤や白、ピンク、オレンジなど様々な色の花があります。
「自然の傑作」と言われるほど美しい花を咲かせます。「とても魅力的」という花言葉もあってか、プレゼントされる機会の多い花です。
チューリップ
チューリップと言うと、春に咲くイメージで、季節感のある花の1種でもあります。
チューリップには赤・白・黄色のイメージが強いのですが、紫色のチューリップもあります。
チューリップの花言葉は色によって違うというのも特徴で、紫色のチューリップは「不滅の愛」というなんともロマンティックな花言葉を持っています。
1輪だけでも存在感がある花です。
紫の花だったら何でも良いわけではない
流派にもよりますが、華道においていくつか共通しているルールがあります。
その1つが季節感を取り入れることです。その時旬の花を意識して選ぶ必要があるので注意が必要です。
紫は高貴で品のある色ですが、季節感を取り入れることを忘れずに花選びをしましょう。