華道は、季節に合わせた花を、花器や花瓶などの器に美しく飾って空間全体を演出するという芸術的な表現のひとつです。

季節ごとの花との語らいを楽しみながら、素朴さを重視したデザインを作り上げられるのも華道の魅力です。

素朴さを重視した華道デザインに使える花

素朴な美しさを楽しむ

素朴で可憐な花。野の風にたおやかに揺れるその枝葉。

その、ありのままが美しく、自然な姿を大切にしたいですよね。

素朴さを重視した華道デザインに使える花8選

豪華さを競うのではなく、その素朴な美しさを楽しめるような、華道デザインに似合うお花たち。これから、そのようなお花をご紹介いたします。

言わずと知れた花で、日本の国花です。ソメイヨシノが最も有名ですが、他にも様々な種類の桜があります。

種類にもよりますが、細い枝を使うときは、曲げると柔らかな曲線が出ます。桜の太い枝であれば、桜の木を丸ごと表現するように活けても素敵ですよね。

菊は仏花のイメージが強いのですが、格の高い花でもあり、生け花にも最適です。花もさることながら、菊の葉の濃い緑もとても美しく、また花もちが非常に良いのも人気の理由の一つです。

千両

枝先に群がる果実が11月には赤く熟し、明るい緑葉とのコントラストが見事です。縁起物で、お正月のお花には欠かせません。

実のなる枝ものは、花を組み合わせても良くて、実を花のように見せられる面白い素材です。

花菖蒲

凛とした姿が美しい花です。花菖蒲の生け花は「葉を生ける」とも言われるほど「葉」に趣があります

シンプルな生け方の方が魅力を増す花です。

あじさい

あじさいといえば梅雨時・6月の代名詞です。切り花として売られているものだけでなく、鉢物のアジサイをカットするという方法も可能で、それを生け花に使っても良いでしょう。

紫陽花はドーム状に花が咲く特徴があって、印象としてはこんもりといった感じであり、シャープな花材と合わせると簡単に素敵な仕上がりを演出出来るのも魅力です。

もみじ

秋を建物の中で演出出来るのも華道の魅力です。自宅でも紅葉が楽しめるのは、とても贅沢なことですね。

「紅葉」とひとことで言っても、その葉の発する紅色は、枝ものの種類によっても微妙に色が異なるので、「紅色の違い」を味わえるというのも紅葉の魅力と言って良いでしょう。

コスモス

秋の代表的なお花のひとつで、地植えや鉢物のイメージが強いのですが、コスモスは切り花としても夏から秋に市場に出回ります。

生け花で、秋の季節感を出したいときにおすすめのお花です。お花の色は、白やピンクの濃淡の他に、キバナコスモスやチョコレートコスモスといった、黄色や茶色など種類が豊富で魅力的なお花です。

蓮は花も葉も個性的で、蓮だけを用いる一種生けが最もおすすめです。

また剣山などは使用せずに、水盤の上に浮かばせるように活けることによって、池に咲く美しい蓮の姿を連想させ、より自然な蓮の姿が演出されることになります。

また、同系色の桔梗を生けてみると、蓮の存在感の邪魔をせず、お互いの花が引き立てあって、清廉な和の素朴な雰囲気が増します。

素朴なデザインの作品を作ってみたい

このように、素朴さを重視した華道デザインに合う花は、身近で和のテイストが多いですよね。

日常に追われ、自然の移ろいを忘れがちな私たちに、素朴な花々は、このように季節の今を切り取って表してくれるのです。

自然と共に生きることの大切さや、今、この瞬間の儚さを教えてくれる花。

美しい花を愛で,そして豊かな心でいけられたいけばなは,素朴さの中に上品さが感じられる作品となり、心が洗われますね。

華道でこのような作品を作れたら、どんなに素敵なことでしょう!

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