花や植物を使って表現するには、先行するイメージを補助するような色使いをすると、見る人を納得させられるようになります。

緑色に似合う色とバランスが取れる色

華道においても同じことで、花を使うからこそ、緑色は重要なポイントになります。緑色とのバランスについて考えてみましょう。

植物の生きる証である緑

華道=花を使うものというイメージですから、奇抜な色使いをしすぎると、植物の持つ「生きている」ということが伝わりません。

ドライフラワーとは違う華道なので、植物が生きていることを活かし、表現をしなくてはいけません。

花が咲くと、植物は大半が本来の原則の色を越えて、鮮やかな色に変化するのが一般的です。

葉は緑、花は赤というように予想しない色を付けるからこそ、見る人はギャップから「キレイ」と評価するのですから、花をおぜん立てする緑は、植物にとって重要な色になります。黒や茶色の葉というのは枯れたイメージですよね。

だからこそ植物においては、緑という色が重要であり、スタート地点でもあるのです。

緑色には黄色から赤方向へ行くと明るさ表現できる

緑色の葉に対して、赤の花は活力を感じますが、色として使うと両者を並べてしまうのにはインパクトが強すぎることもあります。

インパクトだけを求めるのなら、この使いかたもアリですが、メッセージを伝えたりするのであれば、中間色が必要になることもあります。

緑から赤に行くためには、その間にある黄色を使うようにすると、見る人からは自然な流れが感じられることになります。

インパクト重視でいくと、緑⇔赤は「行く」と「止まる」を表す信号のように、対比して使えるのですが、「流れ」の表現には少し不向きと言えます。

表現したいテーマによって、緑からどの色へ行くのかを考えないといけませんね。

青系の色は緑とバランスが悪い

緑色とのバランスとして考えるのなら、色の流れで逆になる青系は避けたほうが良いでしょう。

緑が持つイメージは、これまで説明したように「生きる・スタート」というものです。

その次に「終わり・終末」という流れは来ないのが一般的で、バランスを考えるのであれば、流れに沿った黄色や赤、白といった色味が良いですね。

青や黒といった色は寒色系になりますが、バランスを取るためにとはいえ「いきなり緑と組み合わせるのは重くなる」のです。

バランスとは帳尻のこと、スタートの色だから終わりでバランスを取るのは、言葉としては調和が取れる気もしますが、見た目で表現するにはバランス良しとはなりません。

色には流れがあってバランスがあるもの、そのことを理解して華道に取り入れることによって、人目を引く「融和な表現」ができるようになります。